「宇宙」への進出というのは人類が年月をかけて研究している分野の一つです。
現在、宇宙ステーションや多くの人工衛星などが打ち上げられ、私たちの日常生活を豊かにしてくれています。
しかし、現在に至るまでに非常に多くの試行や苦難があったはずです。
今回はそんな宇宙開発を舞台にした映画をご紹介したいと思います!
サリュート7
監督 | クリム・シペンコ |
公開年 | 2018年 |
上映時間 | 118分 |
「サリュート7号」という実在した宇宙ステーションを舞台にした作品です。
この作品の大きな特徴は「実話」をもとに作られているというところです。
ソ連の技術の結晶であった宇宙ステーション「サリュート7号」。
ある日、軌道上で機能停止してしまいます。
一切の制御を受け付けなくなった宇宙ステーションを修理するという前代未聞のミッションを描いた物語になります。
宇宙ステーションの修理というのはそこまで珍しくないというイメージがありますが、どういうところが前代未聞なのか。
それは、機能停止した宇宙ステーションに外部からドッキングするところから行うという点です。
宇宙空間で超高速で移動している物体に対して接近し、ドッキングするという自殺行為としか思えないような行動がこの作品の肝となります。
映画を見ていて思ったことは、実話とは思えないような無謀さです。
設定
物語はソ連が1982年に打ち上げた「サリュート7号」を中心として展開されていきます。
当時、ソ連は宇宙技術において他国の数歩先を進んでいる状態でした。
「サリュート7号」は当時のソ連の宇宙技術を詰め込んだ技術の塊ともいえる存在です。
そんな「サリュート7号」が突如機能停止に陥りました。
機能停止時点では無人航行を行っていたため、修理できる人間が船内にいないという状況。
このままでは大気圏内へと高度を下げ、地上に落ちてしまう。
そんなとき、アメリカが「サリュート7号」を狙っているという情報を入手します。
先端技術である「サリュート7号」を敵国であるアメリカの手に渡すわけにはいかないと考えたソ連軍は「サリュート7号」の撃墜を決定します。
しかし、それに異を唱えたのは宇宙開発部門です。
「サリュート7号」を失えばソ連の宇宙技術はかなりの遅れを取ることとなる。
絶対に失うことはできない。
そして決行されたのが、「ソユーズT-13」というロケットを「サリュート7号」にドッキングさせ、送り込んだ宇宙飛行士に修理させるという無謀すぎるミッションだったのです。
そして、そのミッションに駆り出される主人公となるのは、退役していた宇宙飛行士の「ウラジミール」とサリュート計画に初期から携わっていた技師の「ヴィクトル」の二人です。
機能停止している「サリュート7号」とはコンピュータ制御のドッキングができず、手動でドッキングするという前代未聞のチャレンジ。
そして、二人は「サリュート7号」を修理することができるのか。
という設定となっています。
オススメしたい人
・SF作品が好きな人
・ファンタジーではなく、実話が好きな人
宇宙が好きな人にオススメしたい作品です。
創作された話よりもぶっ飛んだ実話となっています。
当然脚色されている部分もあると思いますし、映画用に盛った展開なども多分に含まれていると思います。
ただ、ベースとなっているのが実話というのが凄いところです。
SFが好きなら面白いと思っていただける映画だと思います。
注意点としては、ロシアの映画なので、若干クセがあるなとは感じました。
ハリウッド映画とはなんか違う感じがします。
具体的にここが違うとは言えないんですけど、ロシアっぽいなと感じる作品だと思いました。
なので、見る人によってはそのクセが苦手な人もいるかもしれないです。
主人公の「ウラジミール」がかなり自由人なんですよね。
命がけのミッション中に宇宙で酒を飲みまくったりしますからね。
そんな感じの性格で、神業といわれる手動ドッキングを成功させるというのが、まさに主人公です。
創作の中のキャラクターじゃんと思ってしまいますが、現実でもそうだったのかというのはちょっと気になるところです。
映画ならではのキャラ付けだとしたらちょっと残念に感じてしまいます。
現実でのサリュート7号
こちらネタバレにもなるので映画を見ていない人は見ない方がよいかもしれません。(実話を基にした話でネタバレとは、って気もしますが)
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映画では「ウラジミール」と「ヴィクトル」はミッションを成し遂げ、無事に「サリュート7号」を復旧させるというところで終わります。
ただ、調べたところ「ウラジミール」たちのミッション成功の6年後には結局墜落してるらしいんですよね。
墜落した原因も故障らしいです。
しかし、「サリュート7号」が墜落した時には新しい宇宙ステーションも打ちあがっていたようですし、墜落までの期間で様々な研究も行っていたようなので、役目を終えたというところなのかもしれません。
それでも望まない形で地球に戻ってきたというのは悲しいなと感じました。
参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%887%E5%8F%B7
まとめ
宇宙科学の歴史に残る出来事を映画化したこの作品。
映画による脚色もかなりあるだろうとは思いますが、実話としてこういう出来事があったのかと知れて非常に面白いと感じました。
宇宙といっても地球にかなり近い場所での出来事ではありますが、人類にとっては大きな大きな出来事です。
いずれはもっと地球から遠い場所での出来事が実話として語られる日が来るんだと思うとワクワクしますね。
自分が生きている間にどれくらい宇宙科学が発展するか想像もできませんが、映画を越える宇宙の神秘を目撃してみたいものです。