ELTEAです。
ワクワクするような熱い少年漫画を読むのもいいですが、年を取るにつれて熱い作品を読む体力がなくなってきた気がします。
学生のころはバトルものの漫画が大好きで友達と語り合ったものです。
社会人になってからは、熱い作品よりも感動したり寂しさを感じるような心に刺さるような作品を好んで見るようになりました。
そんな自分の心にグサリと突き刺さった作品を紹介したいと思います。
葬送のフリーレン
著者/作者
山田鐘人(やまだかねひと/アベツカサ(あべつかさ)
掲載雑誌
週刊少年サンデー
発行元
小学館
感想
1話目から心惹かれる作品でした。
度肝を抜かれるというわけではないのですが、とにかく一話目から心に刺さる展開です。
物語序盤からこんなに寂寥感を感じる作品というのはスゴイなと思いました。
まだキャラクターの情報もほとんど説明されていないような段階であっても、寂しさを感じるのはそれだけ描写が優れているということなのだと思います。
主人公であるエルフのフリーレンは長命な種族だからなのか、大きく感情を発露させることがないので、読んでいる自分の方がフリーレンよりも感情を出しているなと感じる場面がいくつもありました。
この物語が行きつく先で、フリーレンが思い切り感情を爆発させているところが見たいような、最後までマイペースでいてほしいような、一巻を読んでフリーレンというキャラクターにどっぷりとハマってしまいました。
勇者一行がフリーレンのことを大切に思う理由も分かるってもんです。
そして読めば読むほど、フリーレン以外の勇者一行も好きになっていきます。
みんないいキャラしてるんですよ。
キャラクターデザインがめちゃくちゃ奇抜ってわけじゃないのに印象に残るというか、むしろこの物語では奇抜なデザインでない方が寂寥感があっていいなあと感じるので、物語と絵柄が非常にマッチしているのが素晴らしい。
オススメしたい人
・ファンタジー作品が好きな人
・感動する作品が好きな人
葬送のフリーレンはファンタジー作品です。
勇者と魔王が出てくるような王道ファンタジーのその後を描いたような物語となっています。
例えば「ドラゴンクエスト」で魔王を倒した後の数十年後を描いたような感じですね。
当然人間は100年やそこらで寿命を迎える生物ですから、それは勇者であっても例外ではなく天寿を全うするわけです。
勇者が死んでお話は終わりでは無くて、長命なエルフは大切な人がいなくなった後の世界で何を感じるのか、というところに着目した作品なんですね。
ファンタジーな世界で、大切な人に先立たれるという世界観を聞いて、心惹かれる人は絶対に読んで後悔しない作品だと思います。
ただただ寂しいわけではなくて、エルフのフリーレンはとてもマイペースなので、なんだか微笑ましい気持ちにもなります。
切なさや寂しさを感じることができる作品は世の中にいくつもあると思いますが、そういう作品は切なさや寂しさを過剰に押してくることも多いと思います。
でもこの作品では、適度な寂しさというか、寂しすぎない寂しさを感じることができるというちょっと特殊な作品だと個人的には思います。
エルフという人間とは価値観が違う種族にスポットライトを当てているがゆえの特殊さでしょう。
ぜひ読んでみて経験していただきたいです!
まとめ
魔王討伐を終えた後から始まる物語というのはありそうであまり無かった設定だと思います。
さらに、勇者ではなく勇者一行のメンバーであったエルフを主人公に据えるというのもスゴイ着目点だと感じました。
主人公がエルフということで、人間とは価値観が違うというところもしっかりと描写していて、非常に引き込まれる作品です。
ワクワクするような作品もいいですが、「葬送のフリーレン」でしか感じられない感情を経験するためにぜひ手に取って欲しいと思います。
きっと一話を読んだら僕の気持ちが分かってもらえるはずなので!