人は心理状態によって、決まった傾向の行動を取ることがあるようです。
どのような状態の時に、どのような行動を取ってしまいがちなのか、そういう傾向には名前がついていることもあります。
ということで、調べてまとめてみました!
心理学効果
アンカリング効果 | 先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことを指す。 例えば、「国連加盟国のうちアフリカの国の割合はいくらか」という質問をしたときに、質問の前に「65%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値45%)、「10%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値25%)よりも、大きい数値の回答が得られるという。 |
アンダードッグ効果 | 弱い者や不利な立場にある人を応援したくなる心理。選挙予測で、劣勢と報道された候補者に同情票が集まりやすくなる現象として知られる。 |
アンダーマイニング効果 | 内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機付けを行うことによって、モチベーションが低減する現象。 例えば、好きでプレイしていたゲームに金銭的な報酬を与えられると、やる気がなくなってしまうなど。 |
イマジナリーフレンド | 心理学における現象で、空想上の友人。本人の空想の中で会話したり、現実に投影して遊んだりする。 |
インポスター・シンドローム | 自己評価が著しく低く、たとえ成功してもそれを肯定することができず、人を騙して成功していると思い込んでしまう症候群。 「詐欺師症候群」ともいう。 |
ウィンザー効果 | 人は本人から直接伝えられた情報よりも、第三者から間接的に伝えられた情報の方をより信頼するという現象。 |
ウェルテル効果 | メディアの自殺報道に影響されて自殺が増える現象。 |
エンダウド・プログレス効果 | ゴールに向かって若干の前進を感じたときに、人はよりゴールに向かうモチベーションを上げようと努力する効果のこと。 |
カテドラル効果 | その場の天井の高さが、人間の思考に影響を与える心理的な現象。 高い天井の場合、抽象的・創造的な思考が促進され、低い天井の場合、具体的・細かい思考が促進されるとされている。 |
カラーバス効果 | ある特定のものを意識し始めると、関連情報が自然と目に留まりやすくなる心理効果。 例えば「カメラ」に興味を持つと、書店などを訪れた際に「カメラ」に関連する文言などが目に付くようになるといったもの。 |
カリギュラ効果 | やるなと言われたり禁止にされると、逆にやりたくなってしまう現象。 |
キュートアグレッション | 「可愛いものへの攻撃性」と訳されることがある衝動であり、可愛いものを見たときにつねったり締め付けたくなったり食べてしまいたくなる衝動。 |
クォーターライフ・クライシス | 20代~30代に訪れる、自身の人生に対する不安や危機感のこと。 |
クレショフ効果 | 人はそれぞれが無関係な映像でも、並べて表示すると関連付けて認識してしまうという心理的現象。 例えば、新車の展示会で綺麗なコンパニオンが車の横に並んでいた際、コンパニオンが美人の場合、車までも素晴らしいもののように錯覚してしまうといったもの。 |
ゲインロス効果 | 良い印象と悪い印象の変化の度合いが大きいほど、相手に与える印象が強くなる現象。ツンデレやギャップ萌えなどが当てはまる。 |
ゲシュタルト崩壊 | 同じ文字を長時間、大量に見続けていると、「あれ、こんな字だっけ?」と疑問を感じ出す現象。 |
コンコルド効果 | 「埋没費用効果」の別名であり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失につながると分かっているにも関わらず、それまでの投資を惜しみ、投資が辞められない状態を指す。 超高速旅客機コンコルドの商業的失敗に由来する。 |
ゴーレム効果 | 教師に期待されていない生徒ほど成績が下がるという現象。 逆の意味として「ピグマリオン効果」がある。 |
ザイオンス効果 | 初めは興味のなかった人物や物でも、何度も見たり聞いたりしているうちにだんだんと印象が良くなっていく現象。広告なども、同じCMを何度も流すことで効果が表れる。 |
サバイバーズ・ギルト | 「生き残った者が感じる罪悪感」の意味で、戦争や災害、事故、虐待などから奇跡的に生存した人が、自分だけが助かったことに対して感じる罪悪感を指す。 |
サバンナ理論 | 知能指数が高い人は友人が少なく、孤独を好む傾向にあるという心理学的な法則。 同時に、知能指数が高い人は田舎よりも都会に住むことを好む傾向にあることも明らかになっている。 |
シミュラクラ現象 | 人間の脳が逆三角形に配置された三つの点を顔だと認識してしまう錯覚。 心霊写真の多くがこの現象で説明できるとされる。 |
ジャネーの法則 | 歳を取るほど月日の経過が短く感じられる現象のこと。 |
ジャムの法則 | 人間は選択肢が多い時は、少ない時よりも判断を下しづらくなるという心理的な現象。 「あるスーパーに6種類のジャムを並べたテーブルと24種類のジャムを並べたテーブルの2つを用意しました。 そのスーパーには大勢の客が訪れましたが、どちらのテーブルでも試食をした人の数は変わりませんでした。 しかし、最終的にジャムを購入した人の割合を見ると、6種類揃えたテーブルの場合は30%でしたが、24種類のテーブルではわずか3%でした。」という実験により示された。 |
ジャメヴ | 未視感。デジャヴの逆であり、知っている・見慣れているはずの光景・体験が初めてのことのように感じること。 |
シャルパンティエ効果 | 人は同じ質量の物体を比較したとき、視覚的に大きく見える物のほうをより軽く、視覚的に小さく見える物をより重いと錯覚してしまう現象。 |
シンメトリー効果 | 歪みのない対象の物に対して安定感や美しさ、誠実といったイメージを受ける効果のこと。 |
ストループ効果 | 同時に目にする二つの情報が干渉しあう現象。 例えば、色名を答える質問を行った場合、赤インクで書かれた「あか」の色名を答える場合より、青インクで書かれた「あか」の色名(『あお』)を答える方が時間がかかる事をいう。 |
スリーパー効果 | 信頼性が低い情報源から得られた情報であっても、時間経過とともに信頼性の低さがもたらすマイナス効果が消え、時間経過とともに意見変容などが大きくなる現象。 |
ダニング=クルーガー効果 | 能力の低い人物が自らの容姿や発言、行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう認知バイアス。 |
ツァイガルニク効果 | 「続きが気になる」の心理。物事を途中で中断したときのほうが、完了したことよりも記憶に残りやすいという現象。 |
デジャヴ | 一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象である。 |
テンション・リダクション効果 | 人は重要な決断や行動をした後の緊張が解けたときに、注意力が散漫になりやすいという心理的な現象。 オンラインショッピングで決済が終わった後、オススメされた商品を流れで購入してしまう、など。 |
ドゥーラ効果 | 妊婦に対し、近親者や看護師が付き添って精神面での協力をすることで得られる影響。妊婦が精神的にリラックスするために、分娩時間の短縮や母乳分泌促進などの効果がある。 |
パレイドリア | 心理現象の一種。視覚刺激や聴覚刺激を受け取り、普段からよく知ったパターンを本来そこに存在しないにもかかわらず心に思い浮かべる現象。 一般例として、雲の形から動物や人の顔を連想すること。 |
ハロー効果 | 人や物の良いイメージ・悪いイメージが、全体の評価に影響を与える現象。 広告やCMにイメージの良い有名人を起用すると企業の評価も良くなり、不祥事を起こしたら企業全体の評価が下がるなど。 |
バンドワゴン効果 | 商品やサービスを選ぶとき、多くの人が支持している物を選びやすくなる現象。 流行しているものに乗ったり、多数の商品から「人気ナンバーワン」のものを選んだりすること。 |
バーナム効果 | 占いが当たる理由。 性格の特徴などで、誰にでも当てはまるような曖昧な記述が、自分にだけ当てはまっていると思い込んでしまう現象。 |
ピグマリオン効果 | 教師に期待された生徒ほど成績が向上するという現象。 逆の意味として「ゴーレム効果」がある。 |
ピークエンドの法則 | 人間は過去の経験をピーク時にどうだったか、どう終わったかだけで判定しやすいという心理法則。 例えば、アパレルショップなどの接客で、買い物を終えた客を丁寧に店の前まで見送ることで、良い印象で終わらせるという効果がある。 恋愛などにおいても、デートの最後のディナーで気合を入れることで、良い印象を引き出すことが出来るとされている。 |
フレーミング効果 | 表現によって人の決断が変わってしまうこと。 例えば、月額1000円引きというよりも年間12000円引きといった表現をした方が人を惹きつけやすいといったもの。 |
プロスペクト理論 | 人は、利益を得るよりも損失を回避することを優先したがるという理論。 人は利益を損失よりも過小評価するため、このような結果になる。 |
返報性の原理 (へんぽうせいのげんり) | 人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くという心理現象。 |
ボッサードの法則 | 男女間の物理的距離が近いほど心理的な距離も縮まるという法則。 |
ポリアンナ効果 | ネガティブな言葉よりもポジティブな言葉の方が印象に残りやすいという心理学的な性質。 |
ミラーリング効果 | 好きな相手の行動を無意識に真似たり、自分と似たような行動をする人に対して好感や親近感を覚える現象。相手の仕草などを真似ることで好感を持たせることができるため、恋愛やビジネスなど様々な場面で用いられる。 |
メサイアコンプレックス | 自分は救世主であるという妄想に駆られる心理状態。自分の自尊心や承認を満たすために相手に善意を押し付けて助けようとする。 |
リスキーシフト | 集団心理の一つで、「赤信号みんなで渡れば怖くない」というような、一人だとはばかられるような行為でも、集団になると過激な思考になっていくという心理現象。 |
リンゲルマン効果 | 集団で共同作業を行うときに一人当たりの課題遂行量が人数の増加に伴って低下する現象。 |
コミュニケーションで使えそうな具体例をいくつか紹介!
ネームコーリング
相手の名前を呼ぶという行為。
「これ教えてよ」
というよりも
「○○さん、これ教えて」
と相手の名前をしっかりと述べることです。
人間の脳は、自分の名前を呼ばれることで快感を得るというメカニズムになっています。
しっかりと相手の名前を呼ぶことで、相手は「もう一度この人と会いたい、話したい」というような印象を持つという研究もあるそうです。
注意点としては多用はしないことです。
フォローアップ・クエスチョン
質問をすることで、相手の話を引き出す行為。
人間は自分の話をすることによって、快感を得るというメカニズムになっています。
相手「昨日映画を見ました」
自分「映画ですか! 何を見たんですか?」
相手「インターステラーです」
自分「名前は聞いたことある気が…どんな内容ですか?」
相手「宇宙をテーマにした映画で、、、、」
自分「宇宙かー、ロマンがありますね。SF系の映画が好きなんですか?」
実際の会話がこんな感じで進むかは相手のコミュニケーション力にも左右されるでしょうが、とにかく相手の話の内容に対して質問を投げかけて、相手自身のことを話してもらうということです。
あくまでも相手の話を引き出すことが重要で、自分のことを主題にしないように注意が必要です。
相手「昨日映画を見ました」
自分「映画ですか! 僕も映画好きなんですよ。最近僕が見たのは○○ですね。○○は見ましたか?」
相手「いやー見てないですね」
自分「えー、見ないともったいないですよ。本当にオススメの映画なんですよ。他にも△△もいいですし、、、、」
となってしまうと、相手からすると気持ちよく会話はできていない状態かもしれません。
確かに会話は続いていますが、話の主題が自分の映画知識を語ることになってますからね。
あくまでも相手の見た映画の内容や相手が好きな映画のジャンルなど、相手のことを引き出しましょう。
注意点としては質問攻めにならないようにすることです。相手の話を引き出すといってもただ質問するだけでは相手としても「この人質問ばっかりじゃん」と楽しいという気持ちとはかけ離れた感情になります。自分の意見や情報を織り込みつつ、相手7:自分3くらいの比率で会話をできるとベストです。
ペーシング
話し相手の真似をすること。
相手の口調や、相手の動作、相手のテンションなどを同調させることで、相手がリラックスしていくという効果が望めます。
・早口の相手には早口で、ゆっくり話す人にはゆっくりと。
・声が大きい人には大きな声で、小さな声の人には小さな声で。
・楽し気な人には楽し気に、悲しそうな人には悲しそうに。
相手の現状にこちらが合わせることで、相手は余計なことを意識せずに安心した状態で会話をすることができます。
注意点としては誇張した真似をするのではなく、あくまでも自然にすることです。
バックトラッキング
相手の言葉を繰り返す行為。オウム返しを行うこと。
相手「昨日○○に行ったんだ」
自分「へー、○○に行ったんだ」
相手「夜景が凄かったよ」
自分「夜景が凄かったんだ、いいな~僕も見たかったよ」
というような感じで、相手が述べた言葉を繰り返し述べることです。
オウム返しすることで、自分の話を聞いてくれている、自分の話を認めてくれているというような安心感を与える効果があります。
ここで重要なのが、相手が述べた言葉をそのまま使うこと。
ニュアンスを変えた言い方をしてしまうと、相手からすると言った内容を言い直されたような感覚や自分の話をちゃんと理解してくれていないという感覚になったりします。
相手「この紅茶美味しいよ」
自分「レモンティー美味しいよねー」
これだと、例えば相手が薦めてきたものがレモンティーじゃなかったら「違うよ」と否定されてしまいますし、レモンティーを薦めてきていたとしても「なんか知識をひけらかされた気がする」と感じられる可能性も出てきます。
これでは相手の話に同調したつもりが余計な対立を生みかねません。
相手「この紅茶美味しいよ」
自分「その紅茶美味しいよね」
この返答であれば、相手からすれば自分の述べたことを全肯定されたという状態になります。
注意点としては多用は厳禁。あくまでもさり気なく会話に取り入れることです。
スマイル・ノッド・カップリング
笑顔と頷き。
相手が一番心地よく会話をすることができる仕草です。
笑顔で接することで相手もポジティブな感情になります。
相手の話に頷くことで、相手は「話を聞いてくれている」「肯定してくれている」と感じます。
コミュニケーションを行う上で最強の武器となるので、積極的に取り入れたいですね。
注意点としては、愛想笑いはダメということ、頷きの速度が早すぎてはいけないということです。
早すぎる頷きは相手に焦りや緊張を与えるようです。
ピグマリオン効果
相手に期待しながら接することで、相手が良い方向に変化すること。
アメリカの心理学者ローゼンタールが、教師からの期待がある生徒とない生徒では学習成績に差が生まれるという研究結果を報告しています。
期待された生徒は良い成績を修めたのです。
教育者が生徒や部下に対して、「彼は成長する」という期待をして接しましょうというもので、相手を褒めたり、叱るときでもただ叱りつけるのではなく、「期待しているから」「こうすればもっと良くなる」というような前向きな対人コミュニケーションになります。
相手に期待をせずに「どうせできない」というような意識で接すると、相手の成績は下がってしまいます。
これをゴーレム効果と呼びます。
パーソナルスペース
相手との関係性によって、適切な距離感があるという考え方。
①密接距離・・・・・・0cm~45cmの距離で、これは家族や恋人などの最も親しい人に許される距離
②個体距離・・・・・・45cm~1.2mの距離で、これは友人や親しい人などに許される距離
③社会距離・・・・・・1.2m~3.5mの距離で、これは同僚や上司、クラスメートなど親しいとは言えない人などに許される距離
④公共距離・・・・・・3.5m以上の距離で、公共の場所(駅のホームなど)で他人同士が不快にならない距離
もちろん個人差があるため、あくまでも指標の一つ。相手に合わせて適切な距離を取ることが重要。
ザイオンス効果
相手と繰り返し接触することで、相手は自分に好印象を抱くというもの。
例えば職場や学校などで毎日会い、単純な挨拶や会話を交わすことで徐々に相手に好印象を持っていきます。
ザイオンス効果のピークは10回目とされているため、10回目以降は効果を望めません。
注意点としては全ての相手に効果があるというわけではないということです。当然相手が自分のことを嫌っていたら何回会っても嫌いに決まっています。
嫌われ方にも種類があると思いますが、初回で悪い印象を与えないということが重要と言えるでしょう。
「生理的に無理」といわれたらそれはザイオンス効果ではどうしようもないですね。