創作 自作小説

【ノワール・ポール】女騎士の物語【自作小説】

【プロローグ】ノワール・ポール

自由都市バラスト。

ここは各地から人々が集まり形成された街だ。

故郷を離れた理由は人それぞれ。

故郷に嫌気が差して出てきた者、夢を追って来た者、罪を犯して逃亡して来た者などなど、すれ違う人たちの素性は知れたものではない。

かくいう私も例に漏れず外からこの街へとやってきたよそ者だ。

そんな無秩序な街であるからこそ事件はよく起こる。

「誰か、ひったくりよ! 捕まえて!」

数ブロック先の路地から女性の悲鳴が聞こえる。

直後、路地を飛び出してきた男。

風体は痩せ型で、私より少し背が高いくらい。

お世辞にも裕福とは思えない身なりをしている。

そんな男の小脇には中身がぎっしりと詰まっていそうなブランド物のカバンが確認できる。

あれがひったくった物か。

男はしきりに後ろを振り返りながら息を切らして私の方向へと駆けてくる。

ちらっと周囲を見渡すと、雑貨屋が目に留まった。

軒先で物干し竿が売られている。

丁度良い。

「おじさん、物干し竿一本貰うね」

店主のおじさんに一言かけつつ物干し竿を手に取る。

「ちょっと、お代は!?」

「後で騎士団に請求しといてー」

店主とのやり取りを手短に終えて道に戻ると、ひったくり野郎がだいぶ接近してきていた。

「どけよ! どけ!!」

道行く人々に怒声を浴びせながら走り寄ってくるひったくり。

「どけ!」

私の横をすり抜けようなんて百年早い。

物干し竿をフルスイング。

ひったくりの顔面に直撃した衝撃で物干し竿はへし折れ、ひったくりは一回転して地面に倒れ伏した。

沈黙するひったくり犯。

死んでなきゃいいけど。

念のため男の脈を取ってみると動いていることが確認できたので大丈夫だろう。

「わたくしのカバン!」

ふくよかな体形の女性が汗を流しながら走り寄ってきた。

そして横たわる男の傍に転がっていたカバンを拾い上げると大事そうに抱きかかえる。

「助かったわ。これが無くなったら一大事だったもの」

「いえいえ、これでも一応騎士ですから。職務を全うしただけですよ」

「あら、騎士だったの。やけにラフな服装だけれど」

「非番だったので」

「なんにしても助かったわ、ありがとう」

そう言い残して女性は去っていった。

未だ倒れたままの男を見やる。

これから詰め所にこいつを連れていって諸々の処理を行わなければならない。

折角の非番だったのに。

まあ、感謝されるのは悪い気分ではないけれど。

【一話を書いたらリンクを挿入予定】


作品設定

作品制作のコンセプトや単語選定方法などのルールは以下ページに記載しています。

https://eltea.net/originalnovel/

プロット

今回の作品は以下の二単語から考えました。

ノワールフランス語で「黒」という意味。
ポール英語で「細長い棒」「竿」という意味。

書き終えてみて

プロローグという形で物語を区切りましたが、「ノワール」感がまるでないプロローグとなってしまいました。

書き始めたときは主人公目線で書き始めたはずが、いつの間にか主人公の相棒予定のキャラクターの話になっていましたという何言ってんだこいつ状態です。

主人公は黒を基調とした見た目のキャラクターなので、そこがノワール要素の予定だったのですが、まさかのプロローグに登場せずという。

なんか書いてる途中で、思い描いていた主人公とはなんか違うなと思ってしまって書き直せばいいものを何故か相棒視点で書いてしまいました。

まあ、そういうこともあるという経験ができたということで、、、。

今後の課題

・主人公を出す(こんなの課題に書くことなのか?)

・会話がしょぼい。もっと意味のある会話にしたい。

・設定と描写をブラッシュアップする(特に、プロローグにおける主人公が一切描写されていないので、他のキャラクターに紹介してもらうか、自分自身で説明させるか)

・動きにスピード感とテンポを出す、もしくはもっと丁寧に一挙手一投足を説明する(現状どっちも不十分)

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